8月22日に「家族プログラム」がありました。京都では地蔵盆と重なるところも多かったようですが、9名の方が参加されました。今月のテーマは「薬物依存と家族」でした。家庭のなかで薬物の問題が起こった時に、ご家族がどのような心理状態に陥りやすいか、またどのような行動をとってしまうかをお話しさせていただきました。
薬物依存症は周囲にいる人を巻き込む病気と言われています。また依存症者が責任を負えない場合に、ご家族に(責任を)肩代わりするように求める社会的圧力もあります。例えば、依存症者が借金を返せなくなった時に、代わりにご家族に借金返済を求めることが当たり前のように行われています。でも依存症者が20歳以上(成人)である場合には、自分がした約束は依存症者自身が責任をとらなくてはいけないのです。また貸す方も依存症者を1人の大人として信頼して貸したのですから、肩代わりをご家族の方に求めるのはおかしな話だと思います。まして、依存症者が未成年である場合は、保護者の承諾無しにお金を貸す自体に問題があると考えられます。しかし現実にはご家族のところに、依存症者が方々でした借金の取り立てがやってきます。
このようにご家族は否応無しに、薬物依存症が家の内外で引き起こす問題に巻き込まれてしまいます。しかし、ご家族が本来は依存症者が担うべき責任を肩代わりし続ける関係性に陥ると、両者の信頼関係はドンドン損なわれていきます。同時に、依存症者が自分の病気と向き合うことなしに、薬物を使い続けられる状況を作ってしまうことにもなります。そして薬物依存症に振り回されたご家族は、いつか力尽きてしまうでしょう。
依存症者との関係を大事にしていく…そのためには、信頼できる部分は信頼しつつ、依存症には手を貸さないことが必要です。しかし、これは実行していくのがとても難しいことなのです。だから、ご家族が「自分(たち)には誰も助けてくれる人はいない」と感じる状況のなかで考えても、なかなか関係性を変える方向に進んでいけないことがあります。京都DARCでは、ご家族が孤立することがないように、他の参加者とともに依存症者との関わり方を考える場「家族プログラム」と、カウンセラーとともに、個々の状況のなかで依存症者との関わり方をどのように変えていけばいいかを考える個人カウンセリングを行っています。ご家族が抱え込むことがないよう一緒に考えていきたいと思います。
家族プログラムやご家族を対象としている個人カウンセリング(予約制)については、京都DARCにお問い合わせください。
薬物依存症者の家族心理ケア事業
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